子育て支援員のメリットと、なったら分かる意外なデメリット

近年、働く女性の進出により共働き家庭が増えたことなどを背景に、保育を含め子育てに関わる場では多様なニーズに応えられるよう様々な事業所の形態ができ、またその数も増えました。

このような状況下でその質を保つためには子育てを支援する新しい担い手が必要となりました。

そこで平成27年施行の「子ども・子育て支援制度」によって「子育て支援員」を育成するための研修制度ができました。

子育て支援員は保育の仕事や子育て支援に関わる仕事につきたいと希望する人が国の定める研修を受講し修了することで、誰でもなることができます。

国家資格ではありませんが全国で共通する資格のようなものです。

研修では子育て支援の根本的な考え方や、現場で働く際に必要な最低限の知識や技術を4つのコースに分けて学ぶことができ、無資格で子育て支援の場で働くことに抵抗のある人や、現場で必要な知識を得たい人、よりステップアップしたい人など、多くの人が受講しています。

そんな子育て支援員になることにはどんなメリットがあるのか、またデメリットはあるのかについて解説していきます。

子育て支援員のメリット

子育て支援員になるにはコースによって異なりますが、ある程度の時間を割いて研修に参加する必要があります。

働きながら受講する人に限らず、その時間をかけて資格を取ることは決して楽だとは言えません。

それだけのメリットはどこにあるのでしょうか。

ここでは子育て支援員になるメリットを紹介します。

保育士資格を取るよりも短期間で無料で資格取得できる

子どもに関わる資格は保育士をはじめいくつかありますが、決して安いとは言えない受講料や学費などがかかったり、受験料や登録料がかかったりするものが多いのが現状です。

しかし子育て支援員の研修は自治体が主体となって行っており、全国に通用する資格でありながら無料で受講できるのがポイントです(ただしテキスト代などは自己負担です)。

また受講するための条件も学歴なや経験などによって線引きされるものではなく、子育て支援に関わる職に就きたい人という幅広い層の人に受講資格があります。

たとえば保育士の国家資格を受験しようとすると、まずは受験資格をクリアしなければならず挫折する人も多いですが、それに比べるとハードルも低いと言えます。

また指定された大学や専門学校に通い資格を得る場合でも保育士は2~4年かかるのに対し、子育て支援員は最大で8日間ほどで資格が取れるので、比較的短期間で資格が取得できるのもメリットだと言えます。

子育て支援員歓迎の求人が多い

子育て支援員にると選べる求人の数が増えることもメリットの1つです。

求人情報を見ると応募の条件に「保育士」の記載に加えて「または子育て支援員」となっているものだったり、「子育て支援員歓迎」のものも多く見かけます。

採用する側、そして保護者側からしても、全くの無資格の人より基本的な研修を終えて学んでいる子育て支援員を採用したほうが安心感を持つのは当然のことです。

また特定の時間帯や場合によっては子育て支援員を保育士の代わりに配置してもよいという特例ができたことで、保育園では子育て支援員の資格を持っている人をより積極的に採用したいという動きになっています。

資格保有により手当てがつく場合がある

子育て支援員の基本的な仕事内容は保育士や子どもたちをサポートする保育補助になります。したがって大幅な給料のアップはのぞめませんが、時給にプラスされるかたちで手当が付く求人も増えてきています。

無資格の場合よりも対応できる仕事の幅が広がる

子育て支援員の研修は子育て支援員として従事するために最低限必要な知識・原理・技術・倫理を8時間かけて学ぶ「基本研修」を受講したあと、「専門研修」の4つのコースに分かれて学びます。

保育園で働くには「地域保育コース」を選択します。

「地域保育コース」では乳幼児の発達心理や食事と栄養について、小児保健や地域保育の環境整備などについて学びます。

その中でも特別に配慮が必要な子どもへの対応についての研修は、子どもをサポートすることが多い子育て支援員として身につけておきたい知識の1つです。

保育の現場であらかじめ知っておいたほうが良いことを学ぶ事ができるため、無資格で未経験の職員より仕事を任されやすく、仕事の幅も広がっていきます。

今後の需要増加が期待できる

子育て支援員を雇用すると保育園側にもメリットがあります。

それは平成28年に「保育所における保育士配置の特例」ができたことが関わっています。

「保育所における保育士配置の特例」とは、わかりやすく言うとある時間帯や場合によっては子育て支援員を保育士の代わりとしても良いという特例です。

具体的に説明すると、保育園では年齢に関わらず預かる子どもが1人でもいれば保育士は2人以上で保育をしなければなりません。

それは例えば開園間もない朝の時間帯に子どもがたった1人しかいない場合でも保育士は2名出勤していなければならないということです。

朝早く保育士が出勤すると、その2人の保育士の労働時間が終わるのもそのぶん早くなります。

そうなると今度は夕方の時間帯に保育士が足りなくなってしまう現象が起きるのです。

これは夕方に保育士を寄せて配置した場合も同じです。

このようなことから早番・遅番の時間は保育士が慢性的に足りないという状況が起きやすく特に開園時間の長い保育園では以前から大きな課題となっていました。

しかし「保育所における保育士配置の特例」ができたことで、朝夕の子どもが少数の時間帯については、保育士2人のうち1人は子育て支援員でも代替が効くようになったのです。

こうすることで保育士を子どもの多いコアの時間に集中して配置することが可能になります。

このようなことを背景に、いま保育園での子育て支援員の需要は高まっているのです。

「2人しかいないうちの1人」と聞くと荷が重いように感じますが、朝夕の時間帯であっても必ず保育士と一緒にペアを組むことになっているので安心です。

子育て支援員のデメリット

子育て支援員研修を終了することで、全国でも通用する肩書きができることや応募できる求人が増えたり、無資格の場合よりも採用されやすいなど子育て支援員になるメリットは説明してきましたが、逆にデメリットになることはあるのでしょうか。

まず子育て支援員は保育園においてあくまで補助的な役割であるということに不満を感じる人もいるようです。

せっかく資格を取ったのに担任が持てるわけではなく裏方の仕事が中心になってしまうため、思っていた仕事内容と違うと感じてしまうのです。

また子育て支援員の需要は高まっているものの、パートやアルバイトという形態での採用がほとんどで正社員としての雇用がない場合も多いです。

そうなると給与面でも大幅な給料アップにつながらない場合もあり、収入が不安定になってしまい、時間をかけて資格を取る方が効率が悪くなってしまいデメリットだと感じる人もいます。

無資格からのキャリアアップとして子育て支援員の資格取得はおすすめ!

上記のようなデメリットはあるものの、無資格から子どもと関わる仕事、特に保育園で働こうと決めている人にとっては子育て支援員の資格を取得することは価値のあるものだと言えます。

全く知らない状態より知識がある状態の方が、現場に入ったときに仕事も早く覚えられます。

また保護者や同僚など周りからの信頼度にも関わってきます。

なにより最低限の知識と技術を身につけることによって、自分自身にも自信を持つことができます。

子育て支援員の資格を取って保育園で働くのが自分に合っていると感じれば、その後実務経験を積みながら保育士を目指すこともできます。

子育てに関わる仕事につきたいけど、なかなか自信がない、あと1歩がふみだせないと思っている人は、入口としてまずは子育て支援員研修を受けてみるのがおすすめです。