昼間に子どもの前で先生としてふるまう保育士と、夜の世界で大人を相手に接待をするキャバ嬢。
2つはまるで違う職業のように見えます。
しかし保育士もキャバ嬢も人の気持ちを汲み取り、様々なサービスを提供するという点では共通するものがあります。
相手にするのが子どもと大人という違いだけで、共にコミュニケーション能力が重要視される職業であることは間違いありません。
そして保育士からキャバ嬢へ、あるいはキャバ嬢から保育士へと転職する人は意外と多いのです。
この記事では昼職への転職を考えているキャバ嬢に、保育士を目指すメリットをご紹介していきます。
キャバ嬢から保育士に転職する人は意外と多い
もともとキャバクラ業界と保育士の世界はそれほど遠いものではありません。
保育士の仕事は基本日中なので、夜働くキャバ嬢は選びやすい副業といえます。
キャバクラなら園の子どもと偶然会ってしまうようなリスクもなく、低賃金の保育士にとっては高収入かつ比較的安全なアルバイトと考えられているのです。
さらに、元は保育士を目指していた・あるいは数年保育士として働いていた子が、パワハラや過労、金銭的な理由から保育士を辞めてしまい、転職先としてキャバ嬢を選んでいるケースもあります。
保育士になるために奨学金を借りているような場合は、実力次第で高額の収入を得ることができるキャバ嬢は魅力的な職業です。
その一方で、キャバ嬢は世間的なイメージがよくありません。
彼氏や家族に職業を否定され、苦しんでしまう場合もあります。
また、キャバ嬢は年齢を重ねていくほどに稼ぎにくくなる仕事です。
結婚や出産、子育てなどのライフスタイルの変化とともに、安定して働ける昼職への転職を考えるキャバ嬢は多いです。
特に昨今ではコロナウィルスの影響で、夜のお店の営業は大打撃を被っています。
不安定な夜の仕事から、昼職に転職したいと考えるキャバ嬢は増えています。
人手不足の保育士市場では働き口がたくさん存在するため、かつて保育士を目指していた・保育士として働いていたことがある人がキャバ嬢から保育士に転職するパターンは意外と多いのです。
【事例】元カリスマキャバ嬢が保育士に転職
ここで、実際にキャバ嬢が保育士に転職した事例をご紹介しましょう。
2019年3月20日、元カリスマキャバ嬢の立花胡桃さんが芸能界を引退、保育士に転職するとブログで発表し、話題になりました。
立花胡桃さんは、最高月収2,000万を稼いだこともあるという伝説のキャバ嬢です。一方、保育士は平均月収18万という低賃金にもかかわらず重労働を伴う仕事です。
しかし胡桃さんは、そのような保育士の負の側面を理解した上で、保育士の仕事に携わろうとしています。
実はキャバ嬢や芸能界の華やかな世界より、子どもと遊んだり、ミルクを飲ませたりする方が幸せだという胡桃さん。
給料の額に拘わらず、保育士という職業に魅力を感じている様子です。また胡桃さんは息子さんが生まれた年から児童養護施設に支援を行っており、児童虐待についての問題意識から保育士を目指しているとも語っていました。
キャバ嬢から保育士に転職する5つのメリット
キャバ嬢の中には立花胡桃さんのように月収数千万円を稼ぐ人も存在します。
それに対し、保育士は専門職なのに低賃金ということで有名な職業です。
給料を比べてみると、一見キャバ嬢から保育士に転職するのはかなりの損に見えます。
しかし、実は保育士にはキャバ嬢にないメリットがたくさんあるのです。
メリット1:社会的イメージが良い
キャバ嬢は夜の世界で活躍する水商売です。付き合っているわけではない男性とお酒を飲みながら話をしたり、食事やカラオケに行ったりするので、「派手」や「男性関係にだらしがない」と良いイメージを持たない人もいます。
親に仕事を否定されたり、恋人に「結婚をするならキャバ嬢を辞めてほしい」と迫られることもあり、キャバ嬢という職業を堂々と主張できず苦しむ人もいます。
その点保育士の社会的イメージは「子どもが好きそう」「面倒見がよさそう」と、とても好印象です。保育士なら親にも恋人にも反対されず、堂々と続けることができます。
キャバ嬢という職業を名乗りにくいと考えている人にとって、保育士に転職するメリットは大きいとえるでしょう。
メリット2:安定職
キャバ嬢の給料ルールはお店によって違いがあります。
単なる時給や日給だけでなく、キャバクラの売上やキャバ嬢の指名数に給料が連動するシステムをとっているところもあります。
このようなシステムによって、人気のあるキャバ嬢は数千万円もの月収を得ることができるのです。
ところが、指名をとれなかったり、店の売り上げが落ち込めば給料は激減します。
さらにコロナウィルスの影響などで店が閉まってしまうと、キャバ嬢の給料は大きな打撃を受けます。キャバ嬢は高収入の可能性があると同時に、給料基盤が不安定な職業でもあるのです。
それに対し、保育士の仕事は出勤すれば必ずお給料がもらえるという保証があります。
正社員ならボーナスが支給されますし、有給休暇制度などもしっかり整っています。毎月どのぐらいの収入があるのか前もって把握できるため、安定した生活が送れるのです。
メリット3:健康面
キャバ嬢は健康管理がなかなか難しい仕事です。
夜中心の生活で体内時計が狂ってしまったり、付き合いで飲むお酒の量が多いため二日酔いになりがちです。
体の線を強調する露出多めの服は冷え性になりやすく、体系維持の為に無理なダイエットで体調を崩す人もいます。
さらには、ノルマを達成できない、なかなか指名してもらえないなど大きなストレスで精神的にも不安定になりやすい仕事です。
一方、保育士は(夜間保育がある施設を除けば)基本的に日中が仕事時間です。
子どもたちの健康に配慮し、保育室はいつも適温に保たれ、栄養満点の給食を食べることができます。
子どもたちと太陽の下で散歩したり運動する機会も多く、一般的なオフィスワーク以上に健康的な生活を送れます。
保育士なりのストレスはありますが、純粋な子どもたちと接することで、気持ちが明るくなったり励まされることも多い仕事です。
メリット4:社会貢献性の高い仕事
お客さんをおだてて高いお酒を頼んでもらい、気に入らない相手にも好意があるふりをしなければならないのがキャバ嬢です。
キャバクラでは高額なお金が飛び交いますが、そのお金に何の意味があるのか、そんな風にふとむなしくなることがあれば、キャバ嬢の辞め時なのかもしれません。
一方保育士は子どもを見守り、子どもを育てていく職業です。
日々の仕事の中で、子どもたちが大きく成長して社会で活躍する姿を想像するのは保育士の楽しみの1つです。
保育士の仕事は将来につながる社会貢献性の高い仕事で、やりがいを感じられる瞬間がたくさん訪れます。
仕事にお金だけではなく、社会的な意味を見出せる仕事は貴重です。
メリット5:結婚や出産後も続けられる
キャバ嬢は男性客を美しさで引き付けます。しかしどんなに美しい人でも、年齢を重ねれば外見に衰えが見えてきます。
さらに女性には結婚や出産などライフステージの変化が次々訪れます。夫が夜職を嫌がって辞めざるを得なくなったり、出産によってプロポーションが崩れてしまい露出の多いドレスが着れなくなることもあります。キャバ嬢を一生続けられる人は、そう多くありません。
一方、保育士は年齢に関係なく続けられる仕事です。
女性が多い職場なので、結婚や出産に対する周りの理解も得やすいです。むしろ、妻になり、母になるという女性の経験値を積むことで、保護者や子どもたちにより親身に対応できるようになるというメリットがあります。
今だからこそキャバ嬢から保育士への転職を改めて考えてみよう!
高収入で輝いて見えるキャバ嬢は魅力的な仕事ですが、不健康になりやすく、結婚や出産などライフステージの変化に弱いというデメリットがあります。
さらに、コロナウィルスの影響下で夜の街が不景気な昨今では、収入が不安定になりがちです。
一方、免許1つで全国に働き口がある保育士は大変安定した職業です。
このようなご時世だからこそ、キャバ嬢から保育士への転職を改めて考えてみてください。