保育士の仕事は職場の人間関係のストレスや体力仕事などで、肉体的・精神的にも負荷がかかる仕事であるといえます。
転職したいと思っても、保育士から一般企業への転職は難しいというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。。
実は、保育士から一般企業に転職することは難しいことではなりません。
この記事では、保育士から一般企業に転職することのメリット・デメリット、元保育士さんからの体験談も紹介します。
保育士から一般企業への転職は難しくない!
結論から言うと、保育士から一般企業への転職は可能です。
どんな仕事にも転職することができる世の中なので、保育士が一般企業へ転職する例は山のようにあり、難しいことではありません。
しかし、転職できるということと、その転職先でうまくやっていけるかどうかは別問題です。
転職先でやっていけるかどうかはみなさん次第であり、闇雲に転職せずに退職を上司に伝える前にある程度下調べしておくことが大切だと言えます。
実際に保育士から一般企業に転職はできたにもかかわらずその職場でうまくいかず保育現場に戻ってくる人も多いのも現状です。
保育士という仕事は普通の仕事とは少し違う特殊な業態であることから、保育士以外の業種で働くとなると保育士資格には頼れません。
また周りの人に比べて一般的な会社経験が少ない状態から0からやっていくという覚悟も必要だといえるでしょう。
一般企業へ転職したからこそ見えた保育士の仕事のやりがい!
一度一般企業に転職したことによって改めて「あ、自分は保育の仕事がやりたいんだ」と保育の仕事へのやりがいを見出すケースも多いのも事実です。
そのため、一度保育士とは違う業界へ転職することは全く悪いことではなくプラスへ働く場合もあると言えます。
実際のアンケート調査で、別企業に転職した保育士のうち31.6%もの人が保育の現場に戻っているという結果が出ました。
- 子どものそばで成長を感じられること
- 子どもに必要とされること
- 保護者に頼りにされること
以上のような子どもや保護者とのかかわりの中で生まれるやりがいは一般企業では感じることができないものです。
一度保育の現場を離れたからこそ見えてくるものがあると言えるでしょう。
一般企業へ転職することによる保育士のメリット
保育士の転職する理由として収入が低いこと、その収入に見合わない作業量だと言えるでしょう。
転職先によっては退職する理由のほとんどを解消できるケースがあります。
保育士が一般企業へ転職することによるメリットについて紹介します。
収入のアップが期待できる
保育士の給料は、一般的な女性の平均収入と比べると若干安いのが現状です。
そのため、保育士から一般企業へ転職することによって収入がアップすることを期待できる可能性があります。
ただ、収入については転職先の給料体系など転職先の給料制度によって変わってくるものなので、気になる方は転職前に確認しておくことをおすすめします。
肉体的・精神的な負荷が軽減される
保育士は1日中子どもと走り回っていたり同僚や保護者などの人間関係が悪かったりと、肉体的にも精神的にも疲労が蓄積されることもあるでしょう。
転職先によってはそういった負荷が軽減される可能性があります。
しかし、全ての問題が解消されると決まったわけではなく、その業界の肉体的・精神的な負荷にシフトするだけになる可能性があります。
一般企業の場合、デスクワークや外回り業務など様々な種類の仕事があります。人によっては楽になりますが、場合によっては業界の肉体的・精神的な負荷に耐えきれずドロップアウトしてしまうこともあります。
ただ、保育士のように女社会ということはなく走ったりかがんだりする動作も少ないため、肉体的・精神的な負担は軽減されます。
一般企業へ転職することによる保育士のデメリット
保育士から一般企業に転職すると収入面などは上がる見込みがありますが、今まで経験したことない業種に入る可能性があるため、人によってはデメリットになってしまう可能性があります。
この項目では、一般企業へ転職することによる保育士のデメリットについて紹介します。
0からスキルや仕事を身につけていく覚悟
保育の現場から新しい環境に進むのですから、0からスキルや仕事を身に着けていく覚悟が必要だといえるでしょう。
保育の大学や専門学校で習った知識が生かせる場所ならまだ良いですが、多くの場合0から学ぶことが必須であると言えます。
場合によっては年下から仕事について教わる可能性があります。
年下から教わるのが嫌な人や、新しく知識を身に着けるのが億劫に感じる人には向かないといえるでしょう。
転職に年齢制限がある場合が多い
保育士から一般企業に転職する場合は、ほとんどの場合は未経験です。一般企業側としては即戦力になる人や即戦力になりやすい人を取りたがるところもあるでしょう。
その場合、ある程度年齢制限がある場合が多いと言えるでしょう。
転職希望先が保育の業界と同じで人手不足なら入りやすいですが、そうではない場合退職を決意した時に事前に資格を取るなど、知識を入れておく必要があります。
その会社や業界特有の肉体的・精神的な負荷
保育士は、走り回ったり、保護者や先輩との人間関係に気を使ったりなど、肉体的・精神的に負荷がかかりやすい仕事であるといえます。
一般企業に転職した場合、それらの負荷はなくなっていくと予想されますが、転職先によっては新たに業界特有の肉体的・精神的な負荷がかかる恐れがあります。
転職先の仕事がデスクワークの場合は、1日中オフィスの中で座りっぱなしなので、目や腰に負荷がかかるかもしれません。
オフィス内の空気が悪い場合は体に影響が出る可能性もあるでしょう。
保育士の肉体的・精神的な負荷は相当なものですが、転職した場合、別の負荷で悩む可能性が出るということだけ覚えておきましょう。
保育士が転職するのにおすすめな一般企業
保育士が一般企業に転職することはデメリットだけでなく、メリットも十分にあります。
転職を成功させるには今までの経験や知識、資格などを生かせる場所を選択することで負担を減らせるといえるでしょう。
上記のメリット・デメリットを含めて、一般企業の中でも比較的保育士が資格や経験など活かして働きやすい一般企業の種類を紹介します。
保育求人関連企業
保育士の気持ちを一番わかるのは保育士です。
その場合、保育士求人サイトを運営する会社や、ベビーシッターサービスを運営する会社は、保育士経験や転職経験などが直に活かせる場所だと言えるでしょう。
働き方などは一般企業と同じであり、今までの資格や経験を生かせることから、保育士から保育求人関連企業に転職して活躍している人は多くいます。
保育園運営企業
保育園ではなく、保育園を運営する企業や団体などもこういった元保育士さんが活躍しやすい環境であるといえます。
扱う仕事は保育園についてですが、働き方は一般企業と同じなので、元保育士で活躍している人が多いのも特徴です。
乳幼児・子ども向け商品のメーカー、販売店
保育士の仕事で、玩具や抱っこ紐などを使っていることから、乳幼児・子ども向け商品に馴染みがあると言えるでしょう。
こういった乳幼児・子ども向けの商品を作っている企業においては保育士として直に赤ちゃんや子どもを見てきた経験などが非常に役に立つので、元保育士でこういった企業で活躍している人は多いといえます。
幼児教室
あなたに保育士以外の資格や知識がある場合、幼児や子ども向けの塾などで、教えることができるでしょう。
ピアノや英語など、人に教えられるところまでの知識があるなら仕事にすることも十分可能です。
元保育士でこういった教室で教えている方もいます。
介護・福祉職
保育士を退職した人の中では、福祉の世界で活躍している方もいます。
介護・福祉職の場合は、介護職員初任者研修の資格があると歓迎されやすいですが、無資格であっても勤務することは可能です。
保育の授業で学んだことがあったり、実習で施設に行ったこともある人がいるなど、0から知識を取得する必要がないのがポイントです。
保育士の仕事と同じで、肉体的・精神的な負担が小さくはない仕事ですが、保育士と同じで人手不足が心配されている業界でもあるので、比較的求人が見つかりやすいという特徴があります。
保育・子ども関連の出版社・Webメディア運営会社
出版社やWebメディアの会社でも、保育関連、子ども関連の雑誌、Webメディア運営である場合なら、元保育士の経験や知識を生かすことが可能です。
また、今までと全く違う働き方をしたいという方にもおすすめです。
保育士は日々、ノートを書いたりお便りを書いたりと書く仕事も多いため、物を書く経験を生かして保育士ライターとしてフリーランスで活躍している人も多くいらっしゃいます。
一般企業への転職をしたいなら、保育や子ども関連企業への転職がおすすめ!
保育士の退職理由として収入の少なさと、作業量・肉体的・精神的な負荷など様々だと言えるでしょう。
その場合、一般企業に転職することで改善できるところもあります。
保育士から一般企業に転職することは難しいことだと思う人も多いですが、全く関係のない企業への転職であっても問題ありません。
新しいことを0から学ぶなど大変な面もありますが、自己成長の場と捉えることもできますし、保育の現場を一度離れることで、保育の仕事のやりがいに気づけたというメリットもあります。
もし新しい知識やスキルを0から学ぶことに不安があるなら、保育士としての知識や経験を生かせる仕事や保育や子ども関連の企業に転職した方がリスクは少ないという意味でおすすめであるといえます。
仮に転職で失敗したなと思ったとしても、保育の現場は人手不足であるため、戻りやすいのもポイントであるといえます。
一般企業への転職で悩んでいるなら、一度挑戦してみるのも良いでしょう。