今、保育現場では「ママさん保育士」の存在が大きなものになっています。
なぜなら自分の子育て経験、親としての目線、主婦としての気づきなど子どもを持つ前にはない強みがあるからです。
実際に一度は主婦になったけれど、子育てがひと段落して保育というやりがいのある仕事にもう一度つきたいと考える人もいるのですが、そうした人のほとんどはしばらく現場を離れている不安を抱えています。
反対にそれは採用する立場から見ても「しばらくブランクがあるけど大丈夫だろうか」「今の保育のやり方についていけるだろうか」と気がかりに思う部分でもあります。
そんなとき採用担当者はその人を採用するメリットはあるか、やる気はあるか等、履歴書や面接での志望動機を重点的にチェックしています。
そうなると志望動機の欄には何を書いてよいか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。。
この記事では履歴書を書くときに役立つポイントや採用担当者に好印象を与える志望動機の書き方の具体的な例を紹介していきます。
主婦から復職するママさん保育士の志望動機の5つのポイント
出産をきっかけに一度は保育の現場を離れて専業主婦になっても、資格さえあれば再び保育士として比較的スムーズに現場に戻ることが可能です。
しかし、必ずしも第一希望の園に入れるとは限りません。
新卒や独身の保育士もその保育園を希望していたとき、自分に特にアピールポイントが無ければブランクがあるという理由で採用側も敬遠してしまいがちです。
子どもの手が離れて仕事に復帰したい、家庭にこもっているよりは社会に出て活躍したい、もう少し家庭の収入を増やしたい……理由は人それぞれですが、希望する保育園に就職するためには履歴書や面接での志望動機で、いかに意欲や自分を雇うメリットがあるかを伝えるかが重要です。
ここでは履歴書で好印象を持てる志望動機のポイントをおさえていきます。
<1>なぜ保育士として復職しようと思ったのか?
履歴書や面接を受けるとき保育士に復帰した理由について質問されることが多いですが、単に「子どもの手が離れたから」「時間に余裕ができたため」という理由だけだとあまり意欲が伝わってきません。
例えば「テレビを見ていて保育士の現状を客観的に見る機会が多くなり、大変だったと同時に他では味わえないやりがいを感じていたことを思い出した」「自分の子育て経験から人の成長にこれからも携わりたいと思った」「母親の気持ちがわかるようになりサポートしていきたいと思った」など、ブランクのある期間での気づきや学びがあったことを伝えます。
ブランク期間をマイナスなポイントにするのではなくポジティブに受け取ってもらえるように表現するのがおすすめです。
<2>家事や育児をしながら感じた保育の仕事への想い
家事はコツコツと地道な作業が多いのですが、自分のやった行動がすぐに結果に現れるのでやりがいを感じるという人も多いです。
また育児をしていると「子どもはやっぱりかわいい」と実感したり、1日1日成長する姿を間近で見ることができ、この喜びを「誰かと共感したい」という気持ちがわいてきます。
とても大変な家事や子育てを経験した上で、改めて保育士の仕事に魅力を感じたという人は、その思いを具体的に伝えるとよいでしょう。
保育の現場では一見面倒な地道な作業も、保育の質を保つためには必要不可欠なものです。
そうした仕事も責任感とやりがいをもって取り組んでくれるというのは園としてもありがたいのです。
家事や育児を通してあえて保育士に戻りたいという意欲が強調されて、書類選考や面接でとても好印象です。
<3>社会貢献
主婦の期間にママ友ができ、なかなか保育園に入れない知り合いの母親の話を聞く機会も出てきます。
そんな話を聞いて保育士は誰でもできるわけではないと復職への思いが強くなったり、ニュースで保育の現場が映るたびに先生たちを助けたいという気持ちになったり、主婦をしていた期間に改めて社会貢献をしたいという思いが強くなったという場合もあります。
結婚や出産を機にやめてしまったけれど待機児童や保育士不足の問題などの日本の抱える問題に少しでも役に立つため復帰したいという想いは、保育の仕事をする上でもとても大切です。
そうした熱意を伝えることは志望動機としてとても印象が良くなります。。
<4>子育て、育児の経験
自分自身の子育て経験がある人も志望動機を書くうえで強い武器になります。
その際は子育てや育児の体験から得たことをどのように保育現場で生かせるかを書くのがポイントになります。
例えば「退職前は出産・育児経験がなく、保育のプロとしての意見は言えても母親同士の共感することはできませんでしたが、自分自身が出産や子育てをしてみて保護者のちょっとした苦労や弱音に共感できたり自らの体験談を話したりできるようになった」など強みをアピールします。
とくに初めての子育てをしている保護者はたくさんの不安を抱えています。
そんな時、体験者から「その気持ち、わかりますよ」と声をかけられるだけで安心することができ、保護者の心強い支援者になることができるのです。
<5>意欲
現在、保育の現場は「保育所保育指針」の改訂なども影響して、状況や保育の大切にすべきポイントが目まぐるしく変わってきています。
したがって保育の現場から離れてブランクのある状態から復帰を考えている保育士以上に、採用する側も「今の保育についていけるのだろうか」と心配な部分があるのです。
そのため現在の保育に関する情報を積極的に集めたり、研修やトレーニングの受講、新しい資格に向けた勉強など保育士として復職することに対する意欲がとても重要だと言えます。
厚生労働省のHPや保育雑誌などの他、今はWeb上でも保育の講習が受講できるなど様々なツールを上手く活用することで情報の収集が可能です。
状況に応じて、いずれは時間を延ばしたり正社員になりたいことなど、将来的にどうなっていくのかが伝えられると採用しやすいと言えます。
主婦から復職するママさん保育士の志望動機例
まず履歴書を書き始める前にもう一度なぜ保育士として復職したいのか、きっかけはあったか、自分の強みは何かを改めて考えてから書き始めます。
あらかじめ別の紙に箇条書きでよいので書き出してみるのもオススメです。
それでも実際に履歴書を書く時に何かヒントになることがあればいいのに、と感じている人のために、上記の記事のポイントをおさえた志望動機の書き方の例をあげていきます。
この度保育士として復帰しようと思ったきっかけは、自分の子どもを預ける保育園の見学に行ったことです。
今までは子どもを預かる側で働いていましたが、いざ自分の子どもを保育園に預ける側に立った時に子どもと離れて過ごす保護者の気持ちや保育園に望む保育環境など、それまでにない気づきがたくさんありました。
出産・子育て経験を経て、以前よりも保護者の気持ちに寄り添った保育ができるようになったことを活かして再び保育士として働くことに挑戦しようと思い志望させていただきました。
私は現在子育て・主婦業に専念しておりました。
その期間、家事はコツコツ地道な作業が多いのですが、家族が安心で安全な生活を支える大切な仕事だと感じていました。
保育園においてもこうした見た目には分からない作業がお子様たちの安心・安全な環境を作っているのだと気づき、ぜひ自分が役に立ちたいと思って志望させていただきました。
仕事は離れていましたが子どもと一緒に毎日外に出て体を動かしていますので、体力面でも自信があります。
今年度は時間が限られてしまいますが、来年度からはフルタイムの勤務も目指していきたいと思います。
出産のため保育の現場からは足が遠のいていましたが、最近テレビや新聞で保育士不足が深刻であるという状況を以前よりもよく耳にするようになり、自分も何の役に立ちたいという思いが強くなり保育士として復職したいと思うようになりました。
また自分自身が育児経験をすることで、以前よりも大切なお子様を預かる責任感が増し、保護者の方に寄り添った保育をしたいという気持ちも生まれたことも今回志望させていただくきっかけになりました。
以前の保育園には5年程勤めておりましたが、出産のために一度退職しました。
自分の子どもを育てるという経験を通して、保育園の保育士がいかに不安を抱える保護者の支えになっていることかを実感することができました。
子育てを経験したことで以前はわからなかった保護者の気持ちも共感することができるようになりました。
保護者の身近な理解者として信頼される保育士になりたいと思っています。
私は出産を機に保育業界から退職しましたが、自分の子育てをする中で子どもの笑顔と、成長を誰かと喜び合うことが本当に好きなのだと気づき、保育士の仕事に復職したいと思い志望させていただきました。
少々ブランクがありますがそうした期間を利用して、自分なりに今の保育の動向についてインターネットなどで調べたり保育雑誌を購入して情報を集めてまいりました。
今、保育に求められることは何か常に考え、子どもが笑顔でいられるような保育園であるように誠心誠意を持って働いていきたいと考えております。
志望動機は最初の採用担当者との接点!しっかり推敲しよう!
保育の現場から離れて数年が経ち、保育士としてもう一度働くことに対して不安があるのは当然です。
ブランクの間には「本当にもう一度現場に戻れるのか」「体力的についていけるか」「やり方が古いのではないか」と頭を巡ってしまいがちです。
しかしもう一度復職を考えているという人は、ブランクの期間をマイナスではなくプラスにとらえられるような思考の転換が必要です。
保育士は保育のプロですが、やはり出産や子育て経験、親としての視点は保育現場では大きな強みになると言えます。
履歴書や面接ではそうした自分の強みを充分理解して自信を持ってアピールすることが大事です。
とくに志望動機は履歴書の中でも採用担当者が一番よく読まれるポイントで、実際に会う前の最初の接点です。
たくさんの思いをまとめるのは大変ですが復職への熱意が伝わるように、いろいろなパターンを書いてみたり、繰り返し読んだり、声に出したりして何度も確認することが大切です。