保護者からLINE交換を迫られた時の賢明な対処法

保育士にとって保護者との距離感をどとるかはとても難しい問題です。

大切な子どもを預かる以上、保護者と信頼関係を結ぶことは保育士にとって大切な仕事の一つです。

しかし、保護者との関係はあくまで仕事の延長線上にあります。

保護者とプライベートの付き合いを始めてしまうと、たくさんの問題が生じてしまいます。

もし、保護者から仕事の範囲を超えた誘いを受けたときはどうすればいいのでしょうか。

今回は、保護者からLINEの交換を求められたときの対処法を見てみましょう。

保護者とのLINE交換は控えよう!

保護者からLINE交換を求められたら、基本的には断るのが賢明です。

LINE交換をしてしまうと以下のようなたくさんのリスクが生じることになります。

リスク1:保育園にバレる

保育士が保護者とプライベートなつながりを持つことは推奨される行為ではありません。

そのため、保育園が園の方針や就業規則の中で保護者とのLINE交換を禁止している場合もあります。

雇用主である保育園側の決まりに違反してしまえば、厳重注意はもちろん、場合によっては懲戒処分を受ける可能性もあるでしょう。

確かに保護者とライン交換して必ずしも園にばれるとは限りません。

しかし一度保護者が「お友達」画面に追加されると、「もしかして園にばれてしまうのではないか…」と後ろめたい気持ちでやり取りを続ける羽目になります。

また、保護者側が「園には内緒にする」と約束したとしましょう。

しかし、保護者があなたとのLINEのやり取りを自分の子どもに見せてしまう可能性は非常に高いです。

子どもは正直なので保育園で「○○先生のラインスタンプ可愛いね!」などと無邪気に話してしまいかねません。

その話を同僚や上司が聞いていたら、保育園にLINE交換の件がバレてしまうのも時間の問題です。

リスク2:特定の保護者だけ特別扱いしていると思われる可能性がある

保育士は、一人で多数の子どもを見ています。

その中で特定の保護者とだけLINEを通して繋がってしまうと、他の親から「あそこのお母さんだけ特別扱いしている」「あの子だけひいきしているのではないか」などと疑いをかけられてしまいます。

保育士と保護者がコミュニケーションをとる機会は、送迎時や保育参観、保護者面談などの時間に限られていますが、これらの時間はすべての保護者に平等に与えられるものです。

保育士は子どもだけでなく、保護者に対しても平等に接することが求められます。

子どもの発育相談、家庭のトラブルなど特別な事情がある場合に個別面談を行うことはありますが、これは保育士の仕事内の時間で対処するものです。

特定の保護者とだけ、簡単にコミュニケーションが取れるLINEを使ってやり取りすることは、平等性を欠いていると取られてしまうでしょう。

リスク3:個人的な悩み相談やお誘いなどトラブルの元がたくさん生まれる

気軽なコミュニケーションツールであるLINEでつながってしまうと、保護者も軽い気持ちで連絡を取ってくるようになります。

子どものことならまだしも、夫婦間の悩みやママ友お食事会の誘いなど、まるで友達のような気持ちで接してくる親もいるかもしれません。

個人的な相談やプライベートなお誘いに答えれば、先生と保護者という立場はどんどんあいまいなものになっていきます。

また、LINEは深夜や休日でもコミュニケーションが取れてしまうところがとても厄介です。オフの時間も「先生」として保護者に対応しなければならず、自分のプライベートな時間がどんどん奪われていくストレスフルな毎日がやってくるかもしれません。

かといって、そっけなく返答したり、お誘いを断り続ければそれはそれで角が立ってしまいます。

LINE交換をすることは、後々たくさんのトラブルにつながることを自覚しましょう。

保護者にLINE交換を迫られた時の対処法

保護者とLINE交換をすることは、とてもリスクがある行為であることが分かりました。

しかし保護者側からLINE交換を迫られた時、冷たく断るのも今後の信頼関係に傷をつけてしまいそうで怖いですね。

そこで、「先生、LINE交換しませんか」と言われた時の賢明な対処法をご紹介します。

対処法1:園で禁止されているのでときっぱり断る

まず、最も簡単なのは「残念ですが、園の方針で保護者と個人的な連絡をとることは禁止されているんです」ときっぱり断る方法です。

保育士個人の意思ではなく、保育園の決まりであるとすることで、「先生は私と連絡を取りたくないんだ」というあらぬ誤解を防ぐのです。

また、保護者の中にはそれほど問題のある行為とは考えず、軽い気持ちでLINE交換を申し出る人もいます。

「園で禁止されている」と知らせることで、先生の迷惑になることだったのだと理解してもらいやすくなります。

対処法2:一回保育園に確認しますと言ってその場を乗り切る

自分勤めている保育園がLINE交換を禁止しているかどうか、分からない場合もあるでしょう。

また「園で禁止されている」と言っても、既に別の先生がLINE交換をしてしまった後だったら「あの先生もお友達登録しているから大丈夫」と押し切られそうになるかもしれません。そんな時は、「それでは一回保育園に確認させていただきます」ととりあえずその場を離れましょう。

先に見たように保護者とのLINE交換は様々な問題が生じます。

園長や先輩に相談して、どのように断ったらよいか聞いてみましょう。

既に交換してしまった場合の対処法

保護者の中には強引にLINE交換を迫ってくる人もいるかもしれません。

保護者の推しに負けてついついその場で保護者のIDを登録してしまい、現在とても後悔している保育士さんは、次の対処法を参考にしてください。

対処法1:禁止されているので来ても返信が出来ないと先に伝える

LINE交換をしてしまったのなら、それ以上コミュニケーションが行われないように歯止めをかけることが大切です。

本格的なやり取りが始まる前に、保護者に「LINE交換は禁止されているので、もしメッセージを送っていただいても返信ができません」と伝えてしまいましょう。

ただ、保護者の側には「一度LINEを交換してくれたのに、いきなりそんなことを言うなんて」というネガティブな気持ちが芽生えてしまうかもしれません。

本来なら友達登録をする前に断るべきだったことや、自分の認識が甘かったせいで手間をとらせてしまったことを丁寧に説明することが大事です。

対処法2:素直に先輩保育士に相談する

あなたにとって保護者とLINE交換をしてしまったことは隠したい事実かもしれません。

しかしLINEを交換したことは、保護者本人だけでなく子どもやママ仲間など様々な人を介して保育園側にばれてしまう可能性が高いです。

びくびくとその時を待つより、自分から素直に先輩保育士や園長に相談した方がずっと気持ちが楽になるでしょう。

相談するなら、プライベートなやり取りが行われる前のできるだけ早いタイミングが良いです。

まずは保護者の推しに負けてLINE交換をしてしまったことを素直に謝ることが大切です。その後、対処方法を相談してみましょう。

もしかすると、園長や先輩保育士があなたの代わりに保護者にLINE交換が禁止されていることを伝えてくれる可能性もあります。

一人で問題を抱え込むと、保護者との関係をかえって拗らせてしまうことになりかねません。間に第三者を挟むことで、保護者とも冷静に向き合うことができるでしょう。

自分一人で解決できない場合は、誰かに相談することが大切です。

その他SNSの友達申請や電話番号交換、プライベートなお誘いもNG

保護者とのLINE交換は控えるべきであることがわかりました。

しかし、危険なのはLINEだけではありません。

保育士と保護者との距離感を適切に保つため、気を付けるべきことは他にもたくさんあります。

SNSの友達申請

LINEだけでなく、FacebookやTwitterなどほかのSNSサービスで保護者から友達申請をされた場合も断る方が無難です。

Facebookは基本的に本名で登録するものですから、保護者も先生を見つけやすくなります。さらに、他に誰と友達になっているのかも分かってしまうので、ある保護者を友達として受け入れれば、第三者にもその関係が丸わかりになってしまいます。

プライバシー設定を変更することで検索されにくいようにしたり、「友達リクエスト」を制限することができますので、うまく活用してください。

匿名で利用できるTwitterは油断してしまいがちですが、プロフィールの移住地や園の写真を無防備に載せることで思わぬ形で保護者に特定されてしまうこともあります。

こちらも公開設定を変更したり、勤め先が特定されるような投稿を控えるなどして自衛しましょう。

電話番号の交換

電話番号は重要な個人情報の1つです。

保護者の電話番号は児童調査票に書かれているため、保育士側は仕事上保護者の電話番号を把握しているものですが、保育士個人の番号を保護者に渡すことはほとんどありません。

何か連絡事項があれば、園の電話を通しましょう。

保育士のスマホに保護者の電話番号が登録されているのは「特定の保護者を特別扱いしている」という誤解を招くことはもちろん、情報漏洩の危険性からみても望ましいことではありません。

プライベートな食事会

家族でのランチに子どもが大好きな先生も呼びたい、お世話になっている先生にママ友同士でごちそうをしてあげたいなど好意的な気持ちでプライベートの食事会に誘ってくれる保護者もいるかもしれません。

しかし、多数を相手にしている保育士が特定の保護者とプライベートで会うことは誤解を招きます。

外では気が緩んで、つい他の保護者の話や園の愚痴に発展してしまう可能性もあり、危険です。

さらに外食の場合は、おごった・おごられたなど金銭の問題も絡んできて、より複雑な問題になりかねません。

しっかりとプライベートとの切り分けが大切!

保育士は保護者とより良い関係を築くことが大切ですが、それはあくまで仕事の上の話です。

LINEや電話番号の交換、プライベートなお食事会への誘いなどは、「園から禁止されていますので」と理由を話してしっかり断りましょう。

これは他の保護者から特定の保護者をひいきしていると誤解されないためでもありますが、保育士のプライベートな時間を守るためにも重要なことです。

プライベートな時間を保護者と分け合うことで、休めるはずの時間まで「先生」の顔をしなければならないのはつらいですよね。

仕事とプライベートをきちんと分けて、保育士と保護者の距離感を見極めてください。